3月22日は「世界水の日」!食卓から地球環境を考える
3月22日は「世界水の日」
今日、3月22日は国連が「世界水の日」を定めた国際デーです。「世界水の日」は、2015年9月に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標6 ―2030年までに誰もが安全に管理された「水と衛生」を手に入れる― の達成に向けてアクションを取るための日でもあります。
水問題の深刻化
水は、生命維持、農業、工業など、あらゆる活動にとって不可欠な存在です。水不足は、人々の健康、経済、社会に深刻な影響を与えます。しかし近年、人口増加、気候変動、汚染などにより、世界中で水不足が深刻化しています。
- 14億人以上の人々が安全な水にアクセスできない
- 水需要が増加しているため、2025年には39億人が水不足の影響を受けると予想されている
- 2050年までに、世界の4分の3の人々が水不足に直面する可能性
※参考:国連人口基金「世界人口白書2021」
そこで制定されたのが、「世界水の日」で、水資源の大切さを再認識し、水問題解決に向けた行動を促進することを目的としています。世界水の日には、世界中で様々なイベントやキャンペーンが開催されます。
そこで、私たちも身近な食卓の上から水資源について考えてみました。
アボカドブームの光と影:食卓のトレンドがもたらす環境への負荷
近年、食卓に欠かせない存在となったアボカドは、実は深刻な環境問題を引き起こしています。栄養価と美味しさが人気を呼び、サラダやトースト、スムージーなど、様々な料理に活用されるアボカド。しかし、そのブームの裏側では、水不足という大きな影が潜んでいます。
1kgのアボカドを生産するには2000Lの水が必要、つまり1つ200g(だいたい中サイズ1玉)のアボカドの場合400Lの水使われ8人が1日生活するのに必要な水量に匹敵します。アボカドの主要な生産地であるメキシコやチリでは、水不足が深刻化し、湖の枯渇や干ばつ、住民との水資源をめぐる争いが発生しています。さらに、アボカド畑の拡大のために貴重な森林が伐採され、生物多様性の喪失に繋がっています。これは、生態系に深刻な影響を与え、地球環境の悪化に拍車をかけるものです。
「高所得国が水リスクに苦しむから国々から「ウォーターフットプリント(=食料や製品の生産から消費までの過程で使用される水の総量)」の大きな製品を輸入していることに対して警鐘を鳴らし、製品の生産をより持続可能にすることを呼びかけ、また消費者に対しても自らの消費習慣を再考するよう訴えかけています」
食卓から地球環境を考える
アボカド問題は、食卓の選択が地球環境に与える影響を私たちに突きつけます。しかし私たちが伝えたいのは、今日からアボカドを食べるな!という話ではありません。アボカドに限らず、食べものを作るには水が必要だということです。
食料や工業製品を生産するために必要となる水の量を、その生産地ではなく消費地で計算したものを仮想水(バーチャルウォーター)というのですが、仮想水計算機(環境省)で調べることができます。
脱炭素の観点から畜産肉を意識することはいわれていますが、水のことにも着目してみると見えてくることがありました。家畜の餌などの穀物も考える必要があるのではと思います(例:輸入したとうもろこしの3/4は飼料に、残りは工業用に使われる)。
その中で私たち消費者は、地元の食材や、環境に配慮して生産されたものを選択していく、一人ひとりの行動が大切だと思います。
私たちが毎日いただく食事から、少し環境や水のことを意識をしてみるきっかけになると嬉しいです。