皆さんは、エシカル消費とはどのようなものかご存知でしょうか?
深く理解している方や、実際に日々の生活に取り入れられている方は多くなくとも、一度は耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか?
エシカル消費とは、消費者が商品やサービスを選ぶ際に、その製品がどのように生産され、どのような社会的・環境的影響を与えるかを考慮する消費行動を指しています。「エシカル(ethical)」という言葉は「倫理的な」という意味であり、倫理的な観点から商品を選ぶことをエシカル消費と呼ぶようになりました。
こういった傾向をもつ消費行動は、環境保護、労働者の権利、公平貿易、動物福祉など、多岐にわたる社会的・環境的な問題を解決する一助となり、注目を集めています。
企業が取り組むエシカル消費の意義
一方で、企業にとっては、エシカル消費はどのように影響するのでしょうか?最も大きいのは、ブランドイメージの向上や、市場競争力の強化、優秀な人材の獲得です。
現在では、ヨーロッパやオーストラリア、アメリカに多い印象がありますが、消費者がますます環境や社会問題に敏感になる中、エシカルなビジネスモデルを採用することは、日本国内においても企業の長期的な成長戦略として、とても有効なものになってくると考えています。
例えば、サステナブルな製品やサービスを提供することは、企業が環境に対して責任を持ち、社会的な課題に取り組んでいることを示すものです。このような取り組みは、消費者の信頼を得るだけでなく、行政やパートナーからも高い評価を受けることが期待できます。
エシカル消費に取り組む国内の商品の具体例としては、オーガニック素材を使用した化粧品ブランド「SHIRO」や、農家さんとサステナブルにカカオの品質を高める「Minimal」などがあります。これらの企業は、エシカルな製品を提供することで、持続可能な社会の実現に貢献しており、その取り組み自体が、消費者が商品を購入する動機にも直結しています。
消費者の視点から見たエシカル消費
エシカル消費を実践する消費者は、自分の消費行動が社会や環境に与える影響を意識していると言えますが、このような意識は今までの時代ではそこまで強く見受けられることはありませんでした。人類史上、最も強い段階にあると思います。
この背景には、世の中にある既存の商品で私たちは一定の生活水準を満たされた事実があります。
その上で、製品がどのように生産され、労働者の権利が守られているか、環境に優しいかどうかなど、多くの要素を考慮に入れるようになる時代の流れが生まれました。
一見、利他的だとも言えるこの動きは、社会的な生き物である人間にとって必然であるのかもしれません。
世界的なトレンドと日本の動向
意識の高い人たちだけのものではないか…そう考える人もいらっしゃるかもしれませんが、エシカル消費は、世界的に広がっているトレンドです。そして、おそらく日本国内でも、他国を追いながら、より強まる傾向にあると考えています。
例えばドイツでは、大手スーパー「REWE」が100%ヴィーガン専門店をオープンするなど、エシカルな取り組みが進んでいます(ヴィーガンはその根底に環境問題や倫理的問題が絡んでいるため、エシカルな取り組みの一つだとされています)。
また、日本でもエシカル消費は徐々に浸透してきており、消費者庁は「消費者のためのエシカル消費推進プロジェクト」を立ち上げ、消費者がエシカルな選択をするための情報提供を行っています。また、日本の企業もサステナブルな取り組みを進めていて、例えば、キリンや明治など、沢山の企業が環境に配慮した製品を開発し始めるようになりました。
結論
エシカル消費は、消費者が製品やサービスを選ぶ際に、その生産背景や社会的・環境的影響を考慮する重要な消費行動です。
企業にとっても、エシカル消費への対応はブランドイメージの向上や市場競争力の強化につながります。
また、消費者は自らの選択が社会や環境に与える影響を意識し、エシカルな製品を選ぶことで持続可能な社会の実現に貢献することができるのです。
世界的なトレンドと日本の動向を踏まえ、今後もエシカル消費の推進が期待されると共に、いち早くこのトレンドを踏まえて、日々の消費行動、商品やサービスの方向性を問い直してみることも有意義なものになると考えています。
とは言っても、すぐにはできない…、自分達にはそんな余裕はない…、どうやってやればいいのか分からない…という状況に陥ってしまうことも多いと思います。そんな時、KYOTOVEGANに、様々な会社に合ったエシカルな取り組みを考え、伴走する取り組みをサポートさせていただければ幸いです。
(執筆者:村野)