
2025年2月、イギリス・イーストロンドンにある小さなヴィーガンレストラン「Plates」が、ミシュランの一つ星を獲得しました。イギリス国内でヴィーガンレストランが星を得たのは初めてということで、地元だけでなく世界中の食のプロや愛好家たちがこのニュースに注目しています。わずか25席のアットホームな空間で提供される料理が、どのように高く評価されたのでしょうか。
シェフのカーク・ホーウィス氏が生み出す“プラントベースの芸術”
「Plates」のシェフを務めるカーク・ホーウィス氏は、伝統的なフランス料理のテクニックを土台にしながら、ロンドン、ニューヨーク、パリ、香港など世界各地で培った経験をもとに美食の数々を作り上げています。そのうえで、あえて動物性食材を使わない“プラントベース”のコースを作り上げました。
一見シンプルに思える野菜や豆類、穀物を、驚くほど洗練された料理に仕上げるその独創性はまさに「芸術」であり、味や香りはもちろん、彩りや盛り付けの美しさまで徹底的にこだわり抜いており、食べるだけでなく「目でも楽しませてくれる」のが特徴です。
ヴィーガンやプラントベースへの注目が高まる背景
このニュースは、ヴィーガンやプラントベースに興味のない方にとっても衝撃的だったようです。
「お肉やお魚なしで本当においしい料理が作れるのか?」という疑問を抱く方もまだまだ多いかもしれません。
ところが、「Plates」がミシュランの星を獲得したことで、プラントベースが“これからの食の主役”になり得る、という見方が一段と強まりました。
その背後には、地球環境への配慮や健康志向の高まり、動物福祉の観点など、さまざまな理由で「肉や魚に頼らない食事を選びたい」という人が増えている現実があります。さらに、コロナ禍を経た今、食の安全性やサステナビリティを重視する声が世界中で大きくなり、ヴィーガン料理の可能性がぐんぐん拡大しているのをKYOTOVEGANとしても感じます。
ミシュランの星が持つ意味
ミシュランガイドは、世界的に権威のあるグルメガイドとして知られています。
特にヴィーガンレストランが星を取るというのは、「肉や魚を使わなくても、ここまで素晴らしい料理を提供できる」という事実を、グローバルに発信する大きなきっかけになります。こうしたニュースは、ヴィーガンをはじめとするプラントベースのレストランや食品業界にとっても、大きな後押しになるでしょう。
「おいしい未来」を目指して
私自身も、ヴィーガンやプラントベース、サステナブルやネイチャーポジティブといったテーマに興味を持ち、このニュースには心が踊りました。
プラントベースの魅力は「食材を置き換える」だけでなく、「新しい味の世界を発見できること」にあります。肉や魚を使わないからこそ引き出せる野菜や穀物の深い味わい、調理法の工夫がもたらす驚きの食感。これらを突き詰めていくと、ただの代替食ではなく、まったく新しい美食の境地にたどり着くことができるのかもしれません。
まとめ:食の価値観が変わる、ワクワクする時代
イギリスでヴィーガンレストランが初めてミシュランの星を獲得した今回のニュースは、いま世界で起こっている「食の価値観の変化」を象徴しています。お肉や魚が当たり前だった時代から、素材の多様性や環境への配慮が求められる時代へと、私たちの意識も大きくシフトしているのではないでしょうか。
これから先、プラントベース料理やヴィーガンメニューは、ますます注目を集めるはずです。そしてその動きは、世界の食文化全体を豊かにし、新しい美味しさと驚きを私たちに提供してくれるに違いありません。
これからも、ヴィーガンやプラントベースの最新情報や世界の動向をお届けしていきますので、ぜひお楽しみに。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考にした記事です↓
‘Butter is a perception’
How a British vegan restaurant won its first Michelin star
Plates London becomes first vegan restaurant in UK to win a Michelin star