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京都のコーヒー文化

京都といえば、”お抹茶の街”のイメージがあるかもしれません。実はコーヒー消費量も全国トップクラスであることをご存知でしょうか?

総務省統計局の「家計調査(2021〜2023年平均)」によると、京都市における年間コーヒー購入料は3,774グラムと、全国平均2708グラムを大きく上回り第1位です。

京都には、老舗の喫茶店からおしゃれなカフェまで、さまざまなコーヒー店が存在します。また、近年ではコーヒーフェスやスペシャルティコーヒー専門店など、コーヒー文化がますます盛り上がりを見せています。

京都市民にも親しまれているコーヒー。その一杯が、2050年以降、私たちの生活から消えてしまうかもしれないという危機をご存知でしょうか?

 

コーヒーと環境

コーヒーの未来を左右する2050年問題

それは「コーヒー2050年問題」と呼ばれ、地球温暖化による気候変動が原因で、コーヒー栽培に適した土地が減少してしまうことが懸念されています。科学誌「PLOS ONE」に掲載された研究によると、現在アラビカ種コーヒーの栽培に適している土地の半分以上が、2050年までに失われるとされています。

特に深刻なのが、高温で乾燥した長い季節を持つ地域です。ブラジルの一部、インド、中央アメリカなど「コーヒーベルト」と呼ばれている多くのコーヒー生産地が影響を受け、8割近くが栽培に適さなくなると予想されています。

サスティナブルコーヒー

そこで注目されているのが、サスティナブルコーヒーです。

サスティナブルコーヒーとは

サステイナビリティー(sustainability = 持続可能性)に配慮したコーヒーのことを、サステイナブルコーヒー(sustainable coffee)と言います。現在のことだけではなく未来のことも考えた上で、自然環境や人々の生活を良い状態にたもつことを目指して生産/流通されたコーヒーの総称です。(日本サスティナブルコーヒー協会

 

京都でサスティナブルコーヒーを楽しむ

今回は、京都を代表するコーヒーロースター「小川珈琲」と、斬新なコンセプトで話題の「2050coffee」という、2つのサスティナブルコーヒーのパイオニアをご紹介します。

伝統と革新が融合する:京都小川珈琲

画像:小川珈琲HP

創業1952年、京都で長きにわたり愛されるスペシャリティコーヒーロースター「小川珈琲」。早くからサスティナブルコーヒーの重要性を認識し、様々な取り組みを行っています。

一杯のコーヒーからできること 100年先も続く珈琲文化を築くために私たちが今できる、小さな行動の記録。」のブログで、小川珈琲のサスティナブルな取り組みを読むことができます。

小川珈琲の記事はこちら

自然の力を精一杯活かし環境などへの負担を軽減させて育てられたコーヒー豆を使用した有機珈琲や、渡り鳥の休息場所となる熱帯の森林の木陰を利用して、有機栽培されたバードフレンドリーコーヒーなど、「一杯のコーヒーからできること」をキーワードにサスティナブルコーヒーの商品がたくさんあります。

未来を見据えた挑戦:2050coffee

画像:2050 coffee – 2050 by Kurasu

2024年2月に京都市で開業した「2050coffee」は、“持続可能なコーヒーの未来”をコンセプトとする新業態のスペシャルティコーヒーショップです。斬新なカフェ形態と、未来を見据えた明確なコンセプトを持つサスティナブルコーヒー業界の新たな波として注目を集めています。

コーヒー産業は、世界中で多くの人々の生活を支えている重要な産業です。コーヒー生産者、農園業者、焙煎業者、バリスタ、そして私たち消費者。コーヒーは多くの人々の生活と密接に繋がっています。

サステナブルな生産を行う信頼できる農家から豆のみを扱い、簡単に注げるタップコーヒーという斬新なスタイルで、サスティナブルコーヒーを手軽に楽しめます。

このような地球環境の危機がコーヒーにもあるということを知ってもらうきっかけになればという思いで、このコーヒーショップが始まりました。

どちらも共通しているのは、コーヒーの未来を考え、持続可能なコーヒー産業を目指しているという点です。私たち消費者も、環境に配慮したコーヒーや、コーヒー生産者にとって適切な価格を保証するフェアトレードコーヒーを選ぶことは、サステナブルなコーヒー生産を促進する大きな力となるはずです。

明日のコーヒー一杯から考える

京都には伝統と先駆、双方のカルチャーがあります。それらが融合する京都だから生まれる文化の一つがコーヒーだと思います。
多くの人が愛するコーヒーを、次世代に繋げる取り組みが京都で始まっています。

私たち消費者も、サスティナブルコーヒーを選ぶことで、コーヒー2050年問題の解決に貢献することができます。
明日のコーヒー一杯から、地球環境を考えてみませんか?

執筆:久田愛理

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