IWATA寝具が描く、自然と人、そして未来の物語
5,000円で布団が一式買える時代。引越しごとに買い換えるなど使い捨てができるほど安く手に入るようになった反面、そこには課題も伴います。粗大ゴミとして出されるゴミ容積の中で布団の占める割合はなんと1位。東京都23区内で1年間に799,144枚(平成24年度東京都23区清掃一部事務組合)の布団が捨てられています。廃棄された布団(東京23区/年間)の総面積は東京ドーム280個分に相当します。この大量生産・大量消費・大量廃棄の現状を背景に、寝具の選び方や使用方法について改めて考える必要があると言えるでしょう。
そんな中で注目を集めるのが、株式会社イワタは、長く愛用できる高品質な寝具を提供する総合メーカーとして注目されています。イワタは、創業から190年以上の歴史を誇る日本の高級寝具メーカーであり、京都に本社を構え、伝統と革新を融合させた製品を提供しています。
長きにわたり、人々の安らぎの場であるベッドルームに寄り添い、質の高い睡眠を提供してきました。創業以来、イワタが大切にしてきたのは、「自然との調和を眠りから」という理念です。ここでは、イワタの魅力とその特徴について詳しくご紹介します。
なぜイワタの取り組みが特別なのか?
イワタの寝具に対する姿勢は、単なる商品づくりを超えて、自然との共生、そして持続可能な未来への深い考察に基づいています。自然への敬意、倫理的な素材調達、お客様との共創という理念がすべての製品作りに一貫して反映されています。
自然との共生:すべての始まりは自然の恵みから
「天人合一」に立ち返り、できることから始める。
東洋の思想に、「天人合一(天=宇宙、自然と人はひとつながり)」という考え方があります。
人は自然の一部であり、暮らしは自然と密な関係にあるという教えにならって、イワタはこの理念を寝具作りの根底に据えています。人は自然の一部であり、暮らしと自然との調和を図ることが重要であるという教えに従い、自然に優しい素材選びと製造プロセスを確立しています。
イワタの寝具に使われる素材は、綿、羊毛、シルクなど、植物性の素材だけでなく、動物性素材も使用されています。しかし、これらの素材も自然の恵みを最大限に尊重する形で選ばれています。例えば、絡まりにくくへたりにくい特徴のある動物性のラクダの毛(キャメル毛)などが使用されていますが、それあらのラクダの毛なども換毛期に脱毛するものをブラッシングなどで集めたものを利用しており、動物に負担をかけずに資源を活用するという持続可能な調達方法が採用されています。
これらの素材は、単なる寝具の材料ではなく、自然の恵みそのもの。モンゴルの遊牧民が家畜や木を大切に扱うように、こうした素材選びからもイワタもまた、自然から得られる素材を最大限に尊重し、製品へと昇華させています。この取り組みは、単に素材調達にとどまらず、自然への負荷を最小限に抑えるという、イワタの哲学を象徴するものです。
透明性と信頼:全てをオープンにすることで生まれる共感
イワタ寝具の製品は、単なる素材選びに留まらず、製造過程にも厳格な基準が設けられています。顧客との信頼関係を築くために、製品に関する情報を積極的に公開しており、その透明性は高く評価されています。製品に使用される素材の産地、生産プロセス、そして安全性に関する認証情報がすべてオープンにされており、消費者は安心して製品を選ぶことができます。
繊維製品の国際的な安全規格「エコテックス」認証取得
主な素材(羽毛・天然毛・生地)のほか布団のタグや糸に至るまで、厳しい基準をクリアした認証を取得していることは、イワタの品質に対する自信の表れです。加工などの生産工程も厳しい品質管理システムも、世界トップレベルの信頼性と安全性を誇ります。
さらに、イワタは製造過程で発生する廃棄物の削減にも積極的に取り組んでいます。例えば、羽毛やラクダの毛の精製過程で生じる廃棄物をたい肥として再利用するなど、廃棄物の削減にも積極的に取り組み努力を怠りません。これにより、自然資源を無駄なく活用し、製品の製造過程で生じる環境負荷を最小限に抑えています。こうした取り組みは、自然資源を無駄にせず、製品製造による環境負荷を軽減するための具体的な一歩です。
繊維の安全証明「エコテックス」についてはこちら
脱炭素チャレンジカップ「再エネ100宣言RE Action賞」を受賞
株式会社イワタは寝具業界で初めて、「再エネ100宣言RE Action賞」を受賞しました。
再エネ100宣言RE Actionとは、企業、自治体、教育機関、医療機関等の団体が使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示し、再エネ100利用を促進する新たな枠組みです。イワタが寝具業界で初めてこの賞を受賞したことは、企業としての環境への貢献度が高く評価された結果です。
持続可能をもう一度考えてみる
イワタ寝具が提供するのは、単なる快適な睡眠ではなく、自然と人との調和を大切にした持続可能なライフスタイルです。イワタの製品には、自然への敬意や感謝が込められており、その裏には地球環境への配慮が常にあります。羽毛布団やラクダの毛の使用方法、製造過程における厳格な認証基準、そして長期的に使用することを推奨する姿勢など、すべての取り組みが次世代に向けた責任感に基づいています。
私たちが選ぶ寝具一つひとつが、未来の地球にどのような影響を与えるのか。その答えは、イワタ寝具のように自然との共生を大切にし、持続可能なものづくりを追求する企業の姿勢から学べます。
興味を持たれた方は、ぜひ一度「寝具御誂専門店IWATA」に足をお運びいただき、寝具を体験してみてください。
(京都・東京・大阪に店舗がございます。)
イワタ寝具の想いや素材についても、HPに詳しく掲載されています。HPはこちら
最後に
イワタ寝具の取り組みを理解する上で、重要なのは「エシカル」という言葉だけでは表現しきれない、より広範な視点です。近年のヴィーガン運動などでは、動物性製品を完全に排除することが一つの倫理的な選択肢として支持されています。しかし、イワタ寝具の考え方は、動物性素材を排除するのではなく、自然の一部として動物を尊重し、その恩恵を無理なく受け入れるという姿勢です。イワタ寝具が「睡眠」の観点から示すように、私たちもは自然に寄り添い、その恵みを大切にすることを忘れずに、全ての生命とのバランスを保ちながら未来を創造していく必要があると感じました。
動物性素材の使用が一概に「非倫理的」とされるのではなく、自然と動物に対する配慮がその根底にある場合、それは持続可能な選択肢となり得るのではないでしょうか。動物性素材を無理に排除するだけでなく、それを慎重かつ持続可能な方法で利用するという考え方も、自然との調和を模索する一つの方法だということです。自然との調和を大切にすること、それは単に動物性製品を使用するか否かという二者択一ではなく、自然と私たちがどのように共存していくのかというもっと広い視点から考えるべき課題だと捉えています。
私たちKYOTOVEGANは、このような多様な考え方を尊重し、自然との調和を模索する人々と共に歩んでいきたいと考えています。重なる価値観を尊重し合い、共に考え、行動を起こしていくことこそが重要で、多くの事業者様と共にそのような未来を共に創造していければと願っています。
KYOTOVEGANでは、KYOTOVEGANメンバーズを募っております。私たちKYOTOVEGANのミッションである“ヴィーガンという選択を誰もが認め合えて、自分のライフスタイルが肯定される世界を京都から実現する。”という価値観に共感いただく事業者同士がつながり、それぞれの事業を加速させ、応援し合う場を同じ想いをもつ方々と共に作っています。
ご興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせください。
執筆:久田愛理