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ヴィーガン対応ブースでのアンケート調査

京都マラソン2025のランナー受付会場において、KYOTOVEGANがヴィーガン対応のブースを設置し、ヴィーガンやベジタリアンのランナー向けの情報提供を行いました。
(京都マラソン2025の活動詳細はこちら

 

その一環として、「ヴィーガン・ベジタリアンの表記は何のために良いと思いますか?」という質問でアンケートを実施し、日本人324名、外国人142名の合計466名から回答を得ました。今回は、その結果を分析し、ヴィーガン・ベジタリアン表記の取り組みの意義について考察してみたいと思います。

 

 

アンケート結果

本アンケートでは、以下の4つの選択肢から回答を募りました。

日本人と外国人で異なる価値観

この結果から、日本人ランナーと外国人ランナーの間で意識の違いが見られることがわかります。

1. 日本人ランナーは「健康」が最重視

日本人ランナーの約半数(47.2%)が「健康」のためにヴィーガン・ベジタリアンの表記が役に立つと回答しました。

日本では、食事の選択肢を健康志向から考える人が多い傾向が見られます。特に、スポーツや運動に取り組む人々にとって、食の選択がパフォーマンスやコンディションに影響を与えると考えられるため、ヴィーガン食が健康の観点から注目されているのかもしれません。外国人ランナーも「健康」を選ぶ割合が最も高いものの、日本人よりも低く(39.4%)、他への関心も高く複数のイメージがあることがわかります。

2. 外国人ランナーは「環境への配慮」を重視

「環境を守る」と回答した割合は、日本人が8.6%であったのに対し、外国人は27.5%と3倍以上の大きな差が見られました。

海外では、環境負荷軽減のためにプラントベースの食事を選ぶ動きが進んでいることが、この違いに反映されていると考えられます。特に欧米では、カーボンフットプリントやサステナブルなライフスタイルへの関心が高まっており、食事の選択を環境負荷と結びつけて考える人が多い傾向があります。小学生くらいの欧米からとみられる子ども2人も、直ぐに「環境」を選びました。一方で、日本ではまだこの意識が広く浸透していないことが伺えます。

 

3. 日本人は「多様性」を意識

「多様性を大切に」と回答した割合は、日本人(29.3%)の方が外国人(13.4%)よりも高い結果となりました。

これは、日本国内ではまだヴィーガンやベジタリアンという食の選択肢が広く認知されていないため、対応を増やすこと自体が「多様性の尊重」として認識されやすいことが影響している可能性があります。

一方で、外国人ランナーの回答が低い理由として、すでに多様な食文化が浸透している国のランナーにとって、ヴィーガン・ベジタリアン対応が「特別な多様性の尊重」として意識されにくいことが考えられます。彼らにとって、ヴィーガンやベジタリアン向けのメニューがあることはすでに一般的であり、それを「多様性」として強調する必要性を感じていないのかもしれません。

 

. 生き物を大切に、はアジア系が意識

生き物を大切にしている、を選ぶ外国人はアジア系の方が多いのも特徴的でした。台湾の方は素食(スーシー。動物性を食べない。ベジタリアン)が約15%いるといわれていますが、仏教徒が多いので殺生をしないという意味があるのだと思います。

 

今後の展望

今回のアンケート結果から、日本では健康面でのメリットが強調される傾向にある一方、外国人ランナーには環境意識の高い層が多いことがわかりました。

京都マラソンは「DO YOU KYOTO?マラソン」として環境負荷の軽減に積極的に取り組んでおり、ヴィーガン対応の導入もその一環です。海外からのランナーも多く参加される京都マラソンで、国際的な視点での食の多様性やヴィーガン対応の重要性を促進していくことが求められます。ヴィーガンのライフスタイルを選んでいるランナーの方々が安心して参加できる食の選択肢の充実に加えて、プラごみを減らす脱炭素の取り組みや多様な価値観を尊重する情報発信を強化し、より多くの人にヴィーガン・ベジタリアン対応で「DO YOU KYOTO?(環境によいことしてる?」の一役を担えることを伝えていきます。

執筆:久田愛理

 

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