プラントベース和食という新しい発想
プラントベース×和食という新たな観点
月刊専門料理でも有名な出版社、柴田書店が開催した「日本料理フォーラム」に初めて参加させて頂きました。
京料理の第一人者9名が料理研究をされている会「柴田日本料理研鑽会」が主催されているものです。テーマに取り組み未来の和食のあり方を会員の方々で研鑽されそれをこのフォーラムで発表、試食ができるという、日本唯一の学会のような会合です。
第13回である今回のテーマは「プラントベース和食」でした。
講師として登壇される料理人9名の先生方が研究開発された献立を試食できると聞いて直ぐに申し込みました。
目の前でライブで調理され、またそのメニューを作るに至った考えを調理中に聞けることも、とても貴重な経験です。
詳しいお料理の内容は公開できないのですが、どの先生の料理も旨味や香りを色々な方法、例えば発酵や燻製、などでつけて、滋味深く美味しさを幾重にも感じる、素晴らしい料理でした。
先生方みなさんおっしゃっていたのが、お客様の食の多様性に対応していかなければならい、ということ。
ヴィーガン、ベジタリアン、グルテンフリー、アレルギー、ハラール、、、など、国内外のグルメの方が京都の有名和食店で予約を取るとき(もしくは当日)に、ヴィーガン(ベジタリアン)食でお願いします、という要望が顕著に増えてきているそう。
フォーラム聴講参加のも方(おそらく料理人)が「外国人が入ってきはったら4人に1人はヴィーガンがベジタリアンやで」とお仲間とお話をされていました。また登壇された木乃婦の髙橋氏は10名のうち2名はベジタリアンだ、と言われていました。
研鑽会の方が定義された「プラントベース和食」という概念がとても良かったです。
食材は植物性のみつかうこと、そして昆布は使わないこと。そのルールの背景には、より良い地球環境を未来に繋いでいくためという考えがあります。世界中のグルメが無形文化遺産である和食を味わいにくる京都。一流として環境のことを考えながら献立を組み立てるのは必須になっているのだろうと思います。
昆布を使わない精進出汁ルールの理由
昆布を使わないというルールの理由のひとつに、天然昆布の収穫量が激減しているということがあります。約30年で1/8になったというデータもあります。
https://www.pyuru.co.jp/activity/konbu
環境の変化もあり、過収穫もあり、このままでは昔から日本の食卓に上がる天然昆布が、値段が高騰し食べられなくなる可能性も。
減りゆく資源を伝統のまま使い続けるのではなく、新しい発想で昆布に頼らないグルタミン酸の旨味を、持続可能な食材で代用することを、研究されています。
その様子は、柴田書店「月刊 専門料理」の5月号から連載されています。
https://onl.bz/jjZxWcS
一方、世界では海藻が新しい食材として、ヨーロッパやアメリカで大注目されています。日本でも「海の野菜」として注目された若き起業家もおられます。
その話題は、改めて。